杉滝岩 県山協岩登り講習会

平成19年6月17日(日)

今年も新潟県山岳協会主催の岩登り講習会が杉滝岩で開催された。

会の集会で、参加者は?と聞かれたので手を揚げたがボク独り。やはり、地元開催なのでボク独りはチト寂しい。
もっとも、何か用事がなければ相沢さんは顔を出して下さるはず。と思っていた。



16日(土)は前夜祭というか懇親会が東屋であったけれど所用で欠席。午後、この講習会の将軍様であるABEさんにBeerを差し入れに行く。まだ、五十嵐さんを含めて4人。あとは誰も居ない。天気の良い土曜日なのに・・・・?

この日は、小国の天狗平ロッジで飯豊の稜線にある避難小屋の管理人として入る方々が一同に会して小屋番サミットなるものが開催されていたが、これも同様に私は所用のため欠席。小屋番サミットも杉滝岩の懇親会も残念でした。

6月17日(日)午前、5時頃に杉滝岩に到着。市内と比較しても随分寒い。今日の天気予報は随分気温が上がる予報なので薄着で来たけれど、朝のうちは寒いだろうと、極薄のシェラフを持参した。東屋にはABEさんをはじめ皆さん起床していて朝メシの準備中でした。

岩に触るとまだまだ朝露で濡れている。ボクも東屋に上がりシェラフを被りしばし雑談。よしださんがトップロープでサラマンを練習しているがボクはシェラフの中でヌクヌク。

講習が始まると練習ができなくなるので7時前に前回RPした競技会ルートをリードで登るが、マドンナ〜佐渡おけさの面は朝日が当たるのが遅いので、岩は朝露でまだかなり濡れている。嫌な感じのするまま登る。核心部ではやはり岩の濡れが気になる。ホールド付近にチョークを叩いてみるがどうも気なる。下のほうではビレーヤーが「濡れてんの?岩なんてそんなもんだよ〜。」と励ましにならない声援を送ってくる。
落ちないことを大事にしよう。と最近思い始めてくせに、エイ!と強引に核心部を登りはじめる。やはり滑るのでヌンチャクを掛けることができない。もう少し上の良いホールドを取ってからヌンチャクを掛けてクリップしようと考え身体を右に大きく倒し少しづつ身体を上げて行く。もう少しで良いホールドが取れると思ったら、スルっと手が抜けて何の抵抗もなくフォール。
やはりヌンチャクを掛けクリップしておくべきだった。

ハンガー、ヌンチャクが目の前を上にスッと飛んでいく(自分が落ちている)
おいおい、どこまで落ちるの?と思ったらド〜ンとショックを腰に感じ停止した。3〜4m位落ちただろうか・・・・
思わず随分情けない叫び声を上げた。

腰に違和感を覚えてたもののそのまま登り続けた。競技会ルートは後で誰かが使うと思うのでトップロープとして残置するようにABEさんに指示を受ける。
・・・・・いやはや朝っぱらからミスをしたものだ。
岩が濡れている時はトップロープが宜しいようで。


さて、8時を過ぎる頃から参加者の方々が集まる。全体を3班に分けて講習を開始。私は3班。
はじめに、セメントの吹き付け法面を利用して懸垂下降の練習。
素人に毛の生えた程度の私だけれど、まあ毛がある分、講師のABEさんの助手。懸垂下降の練習後、AフェースとBフェースの間の割れ目というか小ルンゼ状のルートの中間支点までに2ルートロープを張り登って頂く。皆さん問題なく登ってくる。登った後は、私とほだかサンが確認しながらセカンド確保をしてもらう。確保にはジジを使ってもらった。なお、もしかの為にヌンチャクは外さないでエイトノットの輪をクリップしなおして通過してもらい下からも確保した。
左右2ルート登り午前中を終了。

昼食中も皆さんで、プルージック、マッシャーのバックアップのメリット、デメリット。バックアップはエイト環の上が良いか、下が良いか等皆さんで諸説検討されていた。西○さんの言われるとおり、技術は一つではなく状況に応じて使い分ける必要がある。というのが正確なところだと思う。

それは私も登山の分野に限らず絶対は無いと感じています。絶対を云うモノをそこに置いた瞬間から思考はそこが起点になりますから非常に選択の範囲が狭まります。最近、私は自分の考え方も他人の言葉も含め「絶対」を信用していません。
「絶対」を持った瞬間から、他の考え、見解を自分の絶対的観念で否定せざるを得ないのは自分の主観の押し付けに他なりません。
かなり、危ない思想だと思います。

カモシレナイ・・・・・?そうでないカモシレナイ?と考えると受容れる容量が途端に増えます。
技術もそうですが発想も引き出しが多い方が良いと感じます。

午後からは、正面スラブを中間で切らないで上部まで40mをバックロープを引いて一気に登る。30m位からはかなり重く感じる。
ほだかサンも2本引きずって到着。2人を同時の確保するが、昔11ミリで今何ミリよ?って感じのかなり太いロープをジジで巻き上げるがこれがかなりの重労働。(そういや、ウチのカミさんも年毎に太くなるなぁ〜ロープとカミさんはどうやら齢を重ねる毎に太くなるモノらしい・・・)

下からは、ABE将軍の「オレンジ〜もっと引け〜!」とか隣のほだかサン目掛けて「青もっと引け〜」と激が飛ぶ。
解っていますけど重いんです〜。と上のぼく達・・・・
明日は右腕が筋肉痛だと思っていたら欲日はバッチリ筋肉痛だった。

スラブを登り、終了点でセルフビレイを掛けて、「あ〜怖え〜」と云う人、「眺めいいですねぇ〜良い風ですねぇ〜」と平気な方(♀)と様々です。全員登って頂きました。さて、ここからが本当に大事なところ。懸垂下降です。スラブとはいえ40mありますので重大ミスは最終的な結末をむかえる事故になります。長い距離をはじめて懸垂下降する皆さんも緊張していますが確認する私達も真剣です。
確認手順を説明して確認していただいてGO!

下に全員着いて切りのいい所で閉会式で終了
皆さんお疲れ様でした。

私自身、とても勉強になりました。
気がついた事
・インドアで練習している方は高度に慣れれば早く登れる様になる。
・インドアのみの方は、殆どロアーダウンで下降しているので、ロアーダウン以外の下降ができない。
・何が危険で何が危険でないか。この事自体が解らないので、先ず安全であるために何が必要かを知っていただくことが大事。
・今回の講習会ではロープワークを省いたのは正解で、その時間を登る行為そのものに充てたのは効率的でロープワークは各自、或
 いは会で習得すべきで講習会では時間の無駄。
・クライミングが楽しいかどうか?これが一番の課題ですね。



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